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2012/06/24『LUPIN THE THIRD 峰不二子という女』(第12話)レビュー(3) 夢と人形、押井守へのリスペクトか?

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幻覚を見させる薬品を使うという手段は別としても、現実と幻想を行ったり来たり、 「何が現実で、何が幻想か分からない」 という表現手法とテーマは、押井守が一貫して続けてきたテーマだ。ネット上でも、その匂いをかぎ取った人が一部いたが、やはり今回にいたって、間違いなさそうだ、とほぼ確信に変わった。 子供と大人の不二子の人形。「不二子の館」には、それらが宙づりにされていた。

人形のテーマは押井守が『イノセンス』で取り扱っているが、人形が持つ不思議さ、怪しさ、不気味さは、恐らく哲学、社会学、宗教学、心理学、そして芸術と文学と、色んな学術分野を横断して論じる必要があるだろう。
 
そんな難しいことはとりあえず横に置いておいて、アニメで人形が話題になるとき、必ず忘れてはいけないドイツの写真家がいるので、ここに紹介しておこう。
 
ハンス・ベルメール

主な写真はこちらから。
 
恐らく目にしたことがある方が大多数であろう。 ルパンでも、第10話でも使われていた。人形が持つ「得体の知れないもの」を見事に表現している。
 
さて話を戻すと、不二子は人形を撃つ。そんなことしても意味がないと銭形が言うのだが、強迫観念に駆られて、不二子は銃撃するのだ。人形は年を取らない、人間の形を留めた物体。不二子とうり二つの人形が、たくさん宙づりにされている。
 
不二子は何を恐怖したのだろうか。 当然のことながら、囚われ、実験台とされていた幼少時代のトラウマは間違いない。自分と同じ過去を持つ女を殺そうとしたことからも分かる。
 
重要なのは、記憶蘇生のトリガー。自分に似せた人形や像を並べることで、不二子が恐怖し、封じ込めていた過去の記憶を蘇らせることを伯爵は狙っていた。
 
しかし、なぜ過去を取り戻させる必要があったのか、伯爵はまだ明らかにしていない。来週、それが分かる。多くの謎を提示して、どのように解き明かしていくのか。楽しみだ。