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2011/05/08キミは分かり合えることが出来るか?『機動戦士Zガンダム』(バンダイビジュアル)レビュー(再掲)

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まずは『機動戦士ガンダムZZ』なんですが、なんというか、その、「難しい」「難解だ」という視聴者の批判を受けてコミカル路線に走った(ウィキペディア日本語)というのはどうなんでしょうか。この「ZZ」の失敗が後に生きるらしい、というのはなんとなく想像できるのですけど。

そもそもが初代ガンダムも放送の都合上から当初の設定の変更を余儀なくされたといいます。だから「Z」が満を持しての放送だったのだろうけど、確かに、Zを初めて観たときは何の説明もなく特殊なガンダム用語が飛び交っていたので、視聴者は放送当時は何が何やら判らなかったのではないだろうか、と思います。
 
普通の大学生が見てもよく判らない内容です。初見では無理でしょう。
 
特にラスト付近で死んだ人々の思念とか意識とかが飛び交ったり、ハマーン・カーンとカミーユの波長が合い、お互いの心を通じ合わせることが出来るシーンの意味なんて「ぽかーん」ってなるに決まっています。
 
じゃあその意味とは、と聞かれたら「人は分かり合うことが出来る」という実存レベルの相互理解についての叙述、ということになります。
「人は究極的に分かり合えない」という意見を持っている人は多いでしょう。まあ確かにそうかもしれませんが、僕は「分かり合える」という立場を取っています。
 
しかしそれは、例えば「ナチスドイツの主義主張もわかるよね」とか「人というのは結局のところ、自分の思いとか考えとかを共有することは出来ないんだ」とかいうレベルでの相互理解ではありません。ナチズムは人を狂気へと導く悪への思想であり、後者はいじけているだけです。
 
まさか「僕は他人のことを十全に理解できる」とか「分かり合えることができている」とか、そういうことを主張したいのではないです。そうではなく、例えば次のようなシーンを想像して欲しいのです。

ナチスドイツ占領下のパリ。レジスタンス活動のグループがいて、その最先鋒の兵士が少年である。彼は両親を戦争で亡くし、ナチスドイツに立ち向かう。彼は恐るべき適応力で素晴らしい兵士に育ち、ナチスドイツ軍を撹乱する。
 
一方、ナチスの青年将校兵がおり、彼はカリスマ的魅力で部下に大変慕われ、また一流の戦略家であり、策略家であった。
連合軍がパリ解放に近づいたとき、戦乱のさなかで、ついに少年と青年将校は対峙を果たす。そこはモンパルナス駅付近の劇場である。少年と将校は拳銃で打ち合い、そしてお互いの弾が切れ、面と向かい合う。
 
そのとき、少年は青年将校の目を見、将校は少年の目を見る。
そして二人は「同じものを観る」。そこは曙の野原であり、穏やかで優しい光に溢れ、どこまでも、遠くまで続く平原に二人は降り立つのである。
二人は悟る。もしナチスとレジスタンスという敵同士の立場でない時代に二人が出会っていたら、すべてを分かり合える、無二の親友であったに違いない、と。言葉は要らない。言葉を超えて、二人は分かり合えるのだ。
 
しかしそのとき、砲撃の音が劇場に響き渡る。ドイツは敗戦濃厚だ。ナチス将校はレジスタンス軍の有志たちをたくさん殺した。少年も、ナチス兵をゲリラ戦で殺した。お互い憎しみあう存在だ。将校兵は投げようとしていた手榴弾を元に戻し、背を向けて急いで立ち去ろうとする。
そして少年は感動で震えながら、こう叫ばずにはいられない。
「なあ、オレたちは分かり合えるだろう?」
 
青年将校は一瞬立ち止まり、そして振り返る。とても悲しい目をしている。だが「次に会ったときは、必ず殺す」と言い残して足早に立ち去る。
そして彼らは二度と出合うことはなかった。

小説化決定。でも、こういう物語はすでにありそうですね。
誰か知っていたら教えてください。ぜひ読むか観てみたい。
まあ、それが「Zガンダム」なんですけどね。
 
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