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2011/05/04まどかとほむらに救済を…。『魔法少女まどか☆マギカ』(アニプレックス)レビュー

魔法少女まどか☆マギカ 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
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『まどか☆マギカ』が面白すぎて吐き気がする。ほむほむいってんじゃねえよ、と叱られた。まどマギ第三話ではマミさんがまみられたわけだが、「戦いの中に希望や喜びを見つけ出したらそれは死亡フラグ」というありがたい託宣をmono君が受けられた。
 

「そっか、私笑えるんだ」と曰った参号機に乗ったアスカが直後に殺られてしまったのは記憶に新しいところである。
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いちいちボク風情が言うまでもなく、「魔法少女とは何か」について、大変考えさせられるアニメだ。魔法を使えることの対価、敵と戦うというのは死と隣り合わせであるという現実、例えそれが敵であっても、傷つけることは誰かが必ず傷つくと言うこと。
 
敵だから、悪魔だから、魔女だから滅ぼすのか? 憎むべき敵を倒すことに、痛みを感じる前に爽快感を覚える我々を嘲るようなストーリー運びだ。
 
碇シンジが最後の最後までエヴァに乗ることに抵抗を覚えたように、まどかも最後まで魔法少女にはならない。そしてシンジが神となったエヴァによって世界を委ねられたように、まどかも最後には世界を左右する神となる。
 
エヴァがセカイ系の端緒とするならば、ハルヒを通じて、まどか☆マギカでひとまず一段落ということになるだろう。シンジもハルヒも、本当にセカイを救うために、セカイそのものを変えたいわけではない。ハルヒは自分の思い通りに世界を変えたいのだ。
 
しかしまどかは、世界を救うためにインキュベーターと契約し、魔法少女となって無残にも魔女とならざるを得なかった少女達を救うことになる。それは自らが神となることを選ぶことであり、また新たなセカイ系アニメの誕生を意味する。
 
本来、まどマギはワンクールだけで終わるようなアニメではないだろう。第三話からまどかは悲しみに暮れてばかりいる。そして最後は「概念」となってこの世から消えてしまう。少女の純粋さに対して、救済が一切無い。あまりに切ない終わり方だ。
 
最終話ではジャンヌ・ダルクが出てくる。フランス救国の聖女でありながら魔女のレッテルを貼られ火あぶりの刑に処される、あの痛ましい純粋な少女だ。まどかの最後も、それに似ている。そこには救いがないのだ。胸の痛みだけが残される。
 
ほむらはどうしても契約をして魔法少女になってしまうまどかを、なんとしてでも救済したい。時間を何度も何度も戻して、飽くことなく、絶望することなく、まどかのために全てをなげうつ。
 
同じ魔法少女ものとして、セーラームーンがある。そのOP曲に、次のような歌詞がある。著作権の関係で引用することは出来ないが、それは「月に導かれて、何度も何度も同じように巡り会う」という内容の歌詞だ。
 
こちらの方は時間軸を変えたわけではなく、転生によって宿命、宿業としてのセレニティ(うさぎ)とエンディミオン(衛)の恋が物語の中心点なのだが、まどマギはほむらとまどかの友愛によって物語は進む。
 
何度も何度も時間を戻して、まどかに悲劇が訪れないように。
 
まどかが概念となったことによって、悲劇(死んでしまうこと)からは一応免れた。それでもやはり、まどかは救われない。自己犠牲によって存在が消えてしまうのだ。
 
誰もが望んでいるまどマギ第二期。それは再生と救済の物語であって欲しい。エヴァが痛みを抱えたまま同じように悲劇で終わってしまったようには、なって欲しくない。そう願うファンはきっと多くいるだろう。
 
しかし、シェイクスピアの悲劇が救済のない悲劇で終わるからこそ名作であるように、このまどマギもこれで本当に終わってしまう可能性も、我々はしっかりと受け入れる準備を常にしておくべきであるだろう。
 
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